今年2022年は丹沢コース3番ホールの、ワングリーン化工事を行います。昨年の計画では、3番と4番の2ホールを行う予定でしたが、楢枯れ被害が予想以上に激しく、その対策の関係から1ホールのみを行う事になりました。
< 3番ホールのワングリーン化工事 >
< 2022年4月29日撮影 >
グリーンの大きさは現状の450平米から、550平米ほどへ拡張されます。基本的に受けグリーンとなりますが、難易度を高める為にバンカーを2ヶ所へ設けます。
右サイドのバンカーは大きく深いものに成り、バンカー手前となる松のせり出しと合わせ、グリーンの右サイドにピンが切られた場合、簡単にはパーが取れなくなるものと思われます。
とは言え花道は残す予定ですので、冬場などは転がしでのせる作戦も、可能だと思われます。
尚、芝張りの関係も有りますが、工事は5月末を目安に完成させる予定にしておりますので、6月には新グリーンでのプレーを堪能して頂ける事と思います。
間もなく誕生です。
2022年3月に入り気温も上昇して来ました。この事から休眠していた芝根も、今後はいっそう活性化して来る事と思います。
此れまでのコース管理に於ける作業内容と、今後の基本的な内容を報告したいと思います。
< 松原コース管理キーパー >
2020年より楢枯れの被害が酷く、現在もその対処に追われているのが現状です。本年2022年1月より3月初旬迄で、約230本の樹木を処理致しました。
一日7本から8本の木を伐採した事になりますが、高所作業車を使用しての作業は50本ほどに上ります。大変危険な作業となりますが、事故は皆無で今日に至っております。
この作業は4月中旬まで継続して行いますが、4月下旬にはグリーンの更新作業を行う予定にしています。またこの作業と並行して、丹沢コースのグリーン改造を、行って行く予定です。
今年は3番ホールからになります。
作業中は会員及びゲストの皆様には、ご不便をおかけしますが、何卒ご理解賜ります様お願い申し上げます。
会員の皆様へご心配をおかけしておりました箱根コース9番ホールの陥没箇所は、11月初旬に修復工事が完了し、11月13日(土)より通常の状態へ復帰しました。
約3ヶ月ぶりです。
< 修復出来た箱根コース9番ホール >
< 修復に使用したトンパック >
陥没箇所は地下を約4メートルほど掘削し、土砂が流された箇所へ上記写真のトンパックを投入し、補強工事を行いました。
この工事により当面当該箇所が陥没する可能性は非常に低い、と工事会社からの報告を頂きましたが、経過観察を行う必要がある為、表面は芝はりを行わず裸地状態にする方針です。
プレー上は当面修理地扱いにする為、プレーヤーの皆様に於かれては、裸地へ入ったボールをノーペナルティにて、処理して頂きたくお願い申し上げます。
約3ヶ月のもの期間、来場された皆様へは不自由をお掛けし、申し訳御座いませんでした。
丹沢コースの1グリーン化工事は、現在1番ホールと同時進行で2番のパー3ホールでも進めております。下記写真が2番ホールの工事状況の一部です。
このホールは打ち上げで距離もあり、大変難易度の高いホールです。
< 丹沢コース2番ホールグリーン >
< 2021年5月9日撮影 >
此処はピンを狙うと言うより、とりあえずグリーンに乗せてパーを取りに行く、ある意味プレーヤーに守りのゴルフを求められるホールです。
禁じ手はティーンググランドから見て右側、3番ホールへ向かう歩経路方向へボールを落としてしまう事でした。これを避ける為にAとBグリーンの間を狙い、アプローチで寄せてパーを取りに行く攻め方が、無難なものだったと言えます。
今回AとBを合わせ大きな1グリーンへ改修します。大きさは700平米ほどに成る予定です。更に写真でもご確認頂けます様、右サイドへフケたボールを救済する為、浅めのバンカーを設けます。
グリーンは多少の起伏を持たせるものの、大きなアンジュレーションをつけません。
完成は今夏の梅雨明けを想定しておりますので、今しばらく左サイドの窮屈なグリーンで我慢して頂きたく、お願い申し上げます。
丹沢コースに於けるグリーンの改修工事が、本年2021年3月中旬より始まりました。基本的な構想は現在使用しているAグリーンを利用し、起伏を少なめにした700平米未満のワングリーンへする事です。
この改修により戦略性が増し、よりコースコンセプトを明確にする事が出来ます。
下記写真は1番ホールに於ける、グリーン周りの改修風景ですが、グリーンは約650平米の大きさになっています。見てお分かり頂ける様、大きな起伏とうねりは避けています。
< 丹沢コース1番ホールグリーン改修状況 >
< 2021年4月4日撮影 >
上記写真手前にご確認頂けるバンカーは、ティーングランドからみて右側に成りますが、深めで大きなものにする予定ですので、グリーンを狙うプレーヤーのショットに難易度が増します。
グリーンオーバーは返しのアプローチが難しく、これを避ける事でスコアがまとめ易くなります。正確な距離感がプレーヤーに求められますので、ポテトチップス状態のグリーンはかえってストレスをプレーヤーへ与えるのみだと考えます。
芝種は従来通りのペンクロスG2を使用しますので、27ホール全てに於ける統一感を保てる予定です。1番ホールの完成は、5月の梅雨明けを予定していますが、全ては天候次第になると思われます。
工事の進捗次第では時にドロップエリアを設けさせて頂く事態も、出て来る可能性が有りますが、プレーヤーの皆様には今しばらく忍耐して頂きたくお願い申し上げます。
尚、本構想と工事は、遠藤プロ兼キャディマスターとキーパーの松原が、主体に成り行っています。
< チェーンソーの作業を終え、正しく倒れる瞬間 >
< 富士コース6番ホールのティーンググランド前 >
昨年、御殿場地区に於ける多くのゴルフ場が、害虫により楢木が枯れてしまうと言う被害を受けました。当ゴルフ場も例外では有りませんでした。
昨年後半より被害調査を進めた結果、A、害虫被害が確認出来るも手を入れず様子を見るケース B、即座に伐採する必要のあるものなど、被害状況に応じた分類を行い、現在では粛々と伐採作業を行っています。
既に作業は中間地点まで来ており、此れまで40~50本を伐採して来ております。今後天候にもよりますが、3月初旬まで継続して行く必要があります。
コース管理は自然との闘いですが、コース設計家の意図を大きく損ねない様、尚且つ会員及びゲストの方々の、感動と挑戦意欲を掻き立てる様な景観づくり、これらを常に意識しながら行っております。
尚、伐採した木は、御殿場市のチップ化専用工場へ持ち込み、処理しております。3月に入りますと、気温上昇の関係から、芝根が活性化して来ますので、新しい報告が出来るものと思います。
梅雨あけの8月に入り、当クラブに於いて楢木の害虫被害が散見され出し、18日現在で不正確ながら、推測で100本ほどは有るものと思われます。
この状況は当クラブのみの問題では無く、静岡県ゴルフ場協会加盟東部支部エリア17コースに於いても、程度の差こそあれ同様です。被害の無いコースを数えた方が早い程であり、その対策は喫緊の課題になっております。
< 富士コース1番ホール左サイドの楢木 >
< 上記画像の中心に見えるのが楢木であり、ピンク色に見えますが、実際は枯れています。>
本日19日には東部支部のキーパーが集まり、緊急の対策会議が開催される予定になっておりますが、県の森林整備課によれば、❶燻蒸 ❷1㎝以下への破砕 ❸燃やす と言う三つの対策が有るとの事です。このどれも皆基本的には、伐採を伴うものです。
作業が始まりますと伐採音がうるさく聞こえる事と思いますが、会員の皆様には何卒ご理解を賜りたくお願い申し上げます。
近年の激しい気候変動は、芝の生育にも変化をもたらして来ており、これまでの芝草管理手法も将来へ向け、手直しをせまられている様に感じられます。
出来るだけ多くのデータを蒐集し改善する事で、当クラブでは会員やゲストプレーヤーの皆様へ、最適な状態を提供出来る様努めたいと考えております。
今回は現在進められているコース管理に関する状況、及び今後の芝草施用スケジュールなどを、松原キーパーに伺います。
< 松原鉱・グリーンキーパー >
━ 冬の間のグリーン管理について教えて下さい。━
冬の間は定期的にグリーン上の芝へ養分を与えていました。これは地中の温度が上がって来て、根が活性化した時に必要だからです。
しかし今年は温暖化と言う事も有り、冬の間も少し根が動いていました。此れ迄ですと冬は芝の刈り高を若干上げるのですが、今年は通年の刈り高である3.8ミリで対応しました。
ですからパッティングスピードは、普段通りのものを、提供出来たのでは無いかと思います。
━ 病害に付いて、現状を教えて下さい。 ━
現在心配する病気は有りませんが、夏に炭疽病がここ数年出て来るので、この病気が心配です。これに対しては、予防的に春先から殺菌剤を撒く時も有りますが、今年は兆候が出たら適時対応して行こうと考えています。
━ 今後の作業スケジュールについて ━
1、箱根コース3番ホールのドーナツバンカー修復
2、ティーングランドの補修
3、丹沢コース9番ホールの伐採とフェアウエー拡張工事
カップ切りなどの日々行う作業と共に、上記作業を4月中に完了させたいと考えています。その後5月の連休前に、エアレーションをしたいと言うのが、当面のスケジュールです。
当然これらの作業は、天候にも大きく左右されますが、春の嵐とも言えるものが長続きしない限りは、順調に行くのでは無いかとキーパーの松原は考えております。
会員の皆様には、何卒ご理解賜ります様、お願い申し上げます。
< カップ切りの作業をする管理スタッフ >
3月も下旬になり大部気温が上昇して来ましたが、これから次第に芝根も活性化して来ます。昨年秋に散布した肥料の効果が、これから発揮されて来ますので、より芝目が立ったグリーンで転がりの良いタッチを、会員の皆様には味わって頂ける事と思います。
当クラブで使用しているグリーンの芝種はG2です。これはペンクロスの後継芝種として、10数年前より入れ替えて来ており、数年前に全ホールの作業が完了しております。特徴は芝密度が高く、暑さに強く管理し易い事です。
当クラブはその置かれた位置関係が、非常に有利です。近年地球の温暖化が叫ばれ、日本各地でも夏は高温の酷暑と成り、特にゴルフ場関係者にとっては、如何にベントグリーンを維持して行くかが、大きな問題と成っております。
< 現在の芝根の状態 >
しかしながら当クラブは標高が高く、風通し良いのが特徴になっております。この事がグリーンの芝にとってはとても良い環境と成っております。真夏にグリーンの芝がやけて裸地になってしまう事は、なかなか有り得ませんので、この点で会員の皆様にご迷惑をかける事は、無いと自負しております。
今後管理スタッフによる作業スケジュールとしましては、各グリーンのコアリング作業が有ります。会員の皆様にはプレーの点で一時的にご迷惑をかける事と思いますが、どうしても避けられない作業ですので、ご理解頂ければと思います。
この作業は日々サッチ(芝の切りカス)が、グリーンに堆積して来ますと、水はけが悪くなり根腐れの元になります。また新鮮な空気を土壌へ入れる事で、根が活性化して来るのですが、この作業を定期的に行うか否かで、芝の状態もかなり変わって来ます。
ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。